北村薫『リセット』新潮社 2001年刊
四半世紀前ですか!?
『スキップ』『ターン』に続く
北村薫「時と人」シリーズの第3弾。
人の一生が、想いが、不完全にリセットされ、
幾たびか、巡り合う。
太平洋戦争の末期、戦後をとおし、
交錯してゆくふたつの生命、二つの想い。
そこに流れる獅子座流星群。
本の紹介にはこうあります。
<愛し合う男女がいかにしてそれぞれの想いを
伝えあうかを巡る物語である。
遠く、近く、求めあう二つの魂。
想いはきっと、時を超える。
『スキップ』『ターン』に続く《時と人》シリーズ第三弾。
「——また、会えたね」。
昭和二十年五月、神戸。
疎開を前に夢中で訪ねたわたしを、
あの人は黄金色の入り日のなかで、
穏やかに見つめてこういいました。
六年半前、あの人が選んだ言葉で通った心。
以来、遠く近く求めあってきた魂。
だけど、その翌日こそ二人の苛酷な運命の始まりの日だった
流れる二つの《時》は巡り合い、もつれ合って、
個の哀しみを超え、生命と生命を繋ぎ、奇跡を、呼ぶ。>