『花の源氏物語 嵯峨御流』同朋舎出版 1995刊
うちにある「源氏物語」関連の本のひとつ。
「源氏物語」各帖からイメージされた
短歌、花、書からなる美しい書籍。
あの塚本邦雄が文を書き下ろし、
もろん各帖ごとに塚本の短歌が置かれる。
たとえば「桐壺」では
桐に藤いづれむらさきふかければ
きみに逢ふ日の狩衣(かりぎぬ)は白」 邦雄
いけばな嵯峨御流の花が凛列に、
あるいは華麗に、
時には几帳のまえ、お庭などに
見事な花が見開きで飾られて。
そして塚本の短歌を嵯峨書道学院による書が流麗にいろどる。
次の巻はなんの花、どんな短歌、写真は、と
ページをめくるごとにひらかれる世界、
その華やぎがたのしい。
「源氏物語五十四帖」に
ひとりの歌人、
54人の華道家(この本では花人)、
54人の書家
による贅をつくしてつくられた本。
装画:岡田嘉夫
装丁:熊谷博人
撮影:福田匤伸
◆「MARC」データベースより
古典文学の最高峰「源氏物語」に想を得て、
碩学の歌人塚本邦雄の本文と各巻をモチーフとした
創作歌54首と嵯峨御流いけばなと嵯峨書道学院による
花と書の源氏物語五十四帖。