平安時代、紫式部と同時代に宮廷で生きた赤染衛門、
その赤染衛門は 和歌の名手、
日本初の女性による女性のための歴史物語『栄花物語』の書き手。
「史書」でなく、「物語」でなく、「歴史物語」を手掛ける。
この小説はあの道長と三条天皇、
それぞれの人物像、その確執が
あますところなく描かれる。
そのなかに藤式部も『源氏物語』の作者として登場、
<物語論>もかわされて。
その最後に眼と耳をわずらい余命いくばくかの三条帝の御製
心にも あらでうき世に長らへば
恋しかるべき夜半の月かな
中宮妍子は「古今和歌集」から返歌
天の河 雲の水脈にてはやければ
光とどめず月ぞながるる
絶望、懊悩の天皇の和歌に、
いつかは必ず晴れると返したその切々とした、想いが突き刺さる・・・
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紫式部が生きた時代の豪華絢爛宮中絵巻
朝児(あさこ 赤染衛門)
宮中きっての和歌の名手と言われる朝児(あさこ)
再び宮仕えをす
宮中では政権を掌握した藤原道長と、
しかし、
朝児は、
なぜ人は栄華を目指すのか。
そこで描かれるのは歴史の勝者ばかりではない。