オペレッタ「こうもり」は極上のシャンペン! @バイエルン国立歌劇場 BSプレミアム | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

年末のお愉しみ、昨年、202312月31日

 

ヨハン・シュトラウスの人気オペレッタ「こうもり Die Fledermaus」。

演出はバリー・コスキー、オペレッタを得意としています。


もうもう、極上の、はじけっぷり♪

 

歌も、踊りも、むろん演技も、

 

こんなに楽しい舞台もなかなかあるものではありません。


 


演出ではジェンダー、ウィーン、ブルジョアへの風刺とか。

 

オルロフスキー公爵はドラッグ・クイーン(?)でしょうか。

 

本来はメゾソプラノのズボン役ですが、

 

今回はカウンターテナー。

 

異彩を放って存在感たっぷり。

 

そうそう、この舞踏会のお客さまたちも

 

女性がスパンコールの髭をつけたり、

 

なにしろ極彩色、派手派手、キラキラ。

 


刑務所長フランク、一幕では禿頭の厳格そうな官服、

 

二幕では鬘をつけ、

 

三幕ではストリッパーの様なスパンコールの下着姿にハイヒール。

 

 

アイゼンシュタインも燕尾服から

 

三幕では露出度の高いスパンコールのトランクスに頭に被り物。

 

 

フロッシュにいたってはなんと6人!

 

通常の 「語り1人」、 

 

「タップダンス&ボディパーカッション1人」抜群にうまい!

 

 と 「4人のダンサー」 の6人

 

 

舞台美術、一幕の街並みは書割でしょうか。

 

その室内のベットや椅子が

 

あざやかな紫やピンクを使い、しかもシック。

 

二幕のオルロフスキーのパーティ会場はお客様たちを引き立てるように

 

盛り上がってきたときには

 

シャンデリアが何基も吊り下げられて。

 

三幕、刑務所長フランクの部屋は工事現場の「足場」のような鉄骨。

 

そこにパーティーのイブニングドレスや

 

ストリッパーのようなラメラメ姿のフランクがいるのは

 

なかなかシュール(笑)。

 

 

歌手たちはもうもう達者、

 

その歌、その身のこなし、いうことありません。

 


 

ロザリンデのダムラウが素晴らしい! 艶やかで、華やか、その歌も演技もさすが。


アデーレのコンラディ、小間使いの姿がかわいい。

 アイゼンシュタインはバリトンのニグルで。なんて、軽妙なこと。


フランクのヴィンクラーには驚愕!?

 

一幕のお堅い刑務所長らしい演技と身なり、二幕のヘンなフランス語、三幕のストリッパー(?)

 

オルロフスキー公爵にカウンターテノール(通常はmez)のワッツ。

 

そうでした、舞踏会のメンバーもどちらが男性か女性かわからないようになっていました。


アルフレードのパニカーは伸びのある声。

 

テノールの有名どころのアリアの引用もたっぷりで、歌で女性をめろめろに。


ファルケ博士のブリュックはこのオペレッタのなかで渋く、落ち着きがあってよかった。

 

 

指揮は音楽総監督のユロフスキ。

 

いいんです、この方、

 

序曲から軽快なこと、ヨハン・シュトラウスの音楽に引き込まれて♪




 


                    

  オフィシャル動画


<出 演>
 アイゼンシュタイン:ゲオルク・ニグル [Georg Nigl]


 ロザリンデ:ディアナ・ダムラウ [Diana Damrau]


 フランク:マルティン・ヴィンクラー [Martin Winkler]


 オルロフスキー公爵:アンドリュー・ワッツ [Andrew Watts]


 アルフレード:ショーン・パニカー [Sean Panikkar]


 ファルケ博士:マルクス・ブリュック [Markus Brück]


 アデーレ:カタリナ・コンラディ [Katharina Konradi]


 フロッシュ (台詞のみ):今回6人

<合 唱> バイエルン国立歌劇場合唱団


<管弦楽> バイエルン国立歌劇場管弦楽団


<指 揮> ウラディーミル・ユロフスキ [Vladimir Jurowski]


<演 出> バリー・コスキー [Barrie Kosky]

収録:2023年12月28・31日 バイエルン国立歌劇場(ドイツ)