藤沢周『憶』 2024年 春陽堂書店刊
連作短編集
「自分の過去(記憶)をたどりながら現在と交錯する私小説風書下し作品集。
著者の故郷である新潟を舞台に、
主人公の幼い頃の「過去」と感染症がはびこる「現在」が交錯する。
人間にとって記憶の本質を問いかける作品。」と紹介にある。
うつつから記憶へ、
記憶からにじみでる非うつつのせかいにたゆたう。
たゆたいつつ、ゆるがない。
その姿は、立ち姿は白鷺にも似て
あらわれる・・・
そんな読後感。
その足がつかんで虚空なのかもしれない。
そしてその顔をのぞかせる「老」は
通奏低音のように、ある。