北村薫『不思議な時計 本の小説』新潮社 2024年刊
『水 本の小説』に続く北村薫の紡ぐ<ものがたり>
不思議な島
島から星へ
星からブランデー
ブランデーから授業
授業から映画
映画から手品
手品から蜂
蜂から時計
不思議な時計
この9篇の連作、タイトルからもお分りのように
本との出会い、次から次へと連ねられ、
その謎は謎を呼び、追い求めてゆくごとに広がってゆき、
それをたどっているうちに、
知らぬ間に異界へ連れてゆかれる・・・
そのはるけきこと。
「映画、詩歌、演劇、父との思い出。
萩原朔太郎『猫町』とジャン・コクトー、
江戸川乱歩「パノラマ島奇談」と美術館のパノラマ。
塚本邦雄生誕百年、
シェークスピア劇での松たか子、大竹しのぶの慧眼……」
と紹介されて。
前橋文学館がたっぷりと登場!?
江戸川乱歩と萩原朔太郎では「パノラマ ジオラマ グロテスク」
朔太郎が乱歩の土蔵を訪ねた、
それを孫のお二人の再現した写真から始まる図録のこと、
平井憲太郎(乱歩孫)×萩原朔美(朔太郎孫)のマゴマゴ対談のこと、
第51回朔太郎忌での北村薫×松村寿輝のトークなどなど
参加したイベントが目白押し♪
この題名になっている「不思議な時計」は
「宮さん、宮さん」と鳴る朔太郎の時計をめぐってのこと。
鍾愛の歌人「塚本邦雄の生誕百年」もうれしい。
装画・挿画は大野隆司。
あたたかな猫が出迎えてくれます♪