虚空に立つ、白鷺のよう 『憶』藤沢周連作短編集 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

藤沢周『憶』 2024年 春陽堂書店刊

 

連作短編集

 

 

「自分の過去(記憶)をたどりながら現在と交錯する私小説風書下し作品集。

 

著者の故郷である新潟を舞台に、

 

主人公の幼い頃の「過去」と感染症がはびこる「現在」が交錯する。

 

 人間にとって記憶の本質を問いかける作品。」と紹介にある。

 

 

うつつから記憶へ、

 

記憶からにじみでる非うつつのせかいにたゆたう。

 

たゆたいつつ、ゆるがない。

 

その姿は、立ち姿は白鷺にも似て

 

あらわれる・・・

 

そんな読後感。

 

 

その足がつかんで虚空なのかもしれない。

 

そしてその顔をのぞかせる「老」は

 

通奏低音のように、ある。