フルーティスト・大嶋義実の『演奏家が語る音楽の哲学』講談社 2022年刊 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

大嶋義実『演奏家が語る音楽の哲学』講談社 2020年刊

 

 

大嶋義実氏はフルーティスト&京都芸大の教授。

 

「音楽は演奏家を抜きに現実化しない。


人間によってしか血の通った<音楽>を、


楽譜の向こう側にある<音楽>を蘇らせることはできないのである。」

 

 

眼に見えず、

 

触れることのできない<音>、

 

音符・楽譜の奥から立ち上がる音楽、

 

その<音楽もの>との交歓について語る。

 

 

笛は息によって鳴る楽器、

 

<息>は<生き>

 

この人間の生命の根源にある<息>へのみごとな洞察。

 

 

この書は演奏という視点から見た音楽論で、

 

一瞬一瞬に現れ、消えてゆく<音>への

 

演奏をつづけている演奏家ならではの

 

深い目に見えないもの<音楽>を観察し、

 

その背後にある意味や本質を見抜いてゆく。

 

 

ときおり出てくる関西人ならでは(?)の

 

ご自身へのツッコミもなかなかたのしい♪




◆目次


第一章 音を奏でる人類
 

第二章 「音楽そのもの」との交歓

 

第三章 音楽に表れるのは個性か普遍性か


第四章 音符の奥に立ち上がる音楽


第五章 響かせること、響きを合わせること

 

 

 

◆大嶋義実(おおしまよしみ) プロフィール

 


1958年生まれ。1981年京都市立芸術大学卒業後、

同年ウィーン国立音楽大学入学、1984年同校卒業。
プラハ放送交響楽団首席フルート奏者、

群馬交響楽団第一フルート奏者を経て、

現在京都市立芸術大学・大学院教授、副学長。アジア・フルート連盟日本本部長。


ロンドン、ウィーン、プラハ、フィレンツェ、ローマなど

海外での多くの公演&各地の主要音楽祭に招聘されている。


モーツァルト・フルート四重奏曲全曲&協奏曲第一番を

はじめリリースしたCD多数。

 

著書に『音楽力が高まる17の「なに?」』(共同音楽出版社)、

楽譜解説に『マルチヌー フルートとピアノのためのソナタH306』

『シュールホフ フルートとピアノのためのソナタ』(共に音楽之友社)がある。