司修『私小説・夢百話』岩波書店 2023年刊
「私は安部公房の真似をして、
夢の絵を走り書きするようになったのです。」と司修は言う。
枕元にノートを置き、
目覚め、まだ残っている<夢>を絵と文章にする。
40年におよぶ記録が、ここに凝縮されて。
この「夢画集」、
装画はもとより、本文画は著者によるもの。
一話に一画。
夢の話し(これはシュールです)、
交流のある作家のこと、
自身の子供のころのこと
1945年、敗戦10日前の前橋空襲が、
9歳の司少年に色濃く残り・・・
<大江健三郎の魂に捧げる 装幀者として>
この著は献辞を掲げて。
すべて絵はカラー印刷。
月刊『図書』の表紙を飾った作品に、未発表の40編を加えて。
◆司 修(つかさ・おさむ)
1936年前橋生まれ。画家、小説家。法政大学名誉教授。
中学卒業後、独学で絵を学び、
絵画や版画をはじめ、絵本、書籍の装丁、挿絵など多岐にわたる作品を発表。
小説やエッセイ、脚本など文筆分野での活躍でも知られる。
1978年『はなのゆびわ』で小学館絵画賞受賞。
1993年 「犬」で 川端康成文学賞、
2006年 『ブロンズの地中海』で毎日芸術賞、
2011年『本の魔法』で大佛次郎賞受賞。
2016年イーハトーブ賞受賞。
展覧会
1986 年『司修の世界』(池田20 世紀美術館)
2011 年『司修のえものがたり──絵本原画の世界』(群馬県立近代美術館)
絵本 『河原にできた中世の町』(文・網野善彦、岩波書店、産経児童出版文化賞)
『まちんと』(文・松谷みよ子、偕成社、
1984年ボローニァ児童図書展・グラフィック推薦、
1989年ライプチヒ国際図書デザイン展・金賞)
『セロ弾きのゴーシュ』(文・宮澤賢治、ラボ教育センター)
『100 万羽のハト』(作・絵 司修、偕成社)
『ぼくはひとりぼっちじゃない』(作・絵 司修、理論社)
小説 『幽霊さん』(ぷねうま舎) 『戦争と美術』(岩波新書)