<小説家の魂の航海>山田詠美『わたしのことだま漂流記』2022年 講談社刊 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

あの山田詠美の

 

ことだまを、たましいをたどる自伝小説。

 

そこには

 

 

「初めて「売文」を試みた文学少女時代、

 

挫折を噛み締めた学生漫画家時代、

 

高揚とどん底の新宿・六本木時代、

 

作家デビュー前夜の横田基地時代、

 

誹謗中傷に傷ついたデビュー後、

 

直木賞受賞、

 

敬愛する人々との出会い、結婚と離婚、そして......」。

 

 

 

時間をかけ、その積み重ねられた記憶は

 

言葉へ、小説へと昇華してゆく。

 

こうしてひとは小説家になってゆくのか・・・

 

「小説家という生き物」を自身で解剖、解析してゆく。

 

 

 

<私は、この自伝めいた話を書き進めながら、

 

自分の「根」と「葉」にさまざまな影響を及ぼした

 

言霊の正体を探っていこうと思う。>と、山田詠美。

 

 

年来の友人と食事のスケジュールを話していて、

 

詠美「あっ、その日は、ダメ。芥川賞の日だから」

 

友人「今度はどう、取れそうなの?」

 

詠美「違うよッ、審査員なんだよ」

 

友人「ええッ!?」

 

 

 

「なんてチャーミングな!」と思わず

 

身を乗り出すような

 

敬愛の宇野千代先生のエピソードなどなど、

 

まさに<小説家の魂の航海>!