壮絶な西域への潜行! 沢木耕太郎『天路の旅人』2022年 新潮社刊 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沢木耕太郎『天路の旅人』2022年 新潮社刊

 

壮絶なその旅、

 

その西川一三(にしかわ かずみ 1918-2008)を描き出す。

 

 

「第二次大戦末期、敵国の中国大陸の奥深くまで

 

「密偵」として潜入した若者・西川一三。


敗戦後もラマ僧に扮したまま、幾度も死線をさまよいながらも、

 

未知なる世界への歩みを止められなかった。」と帯にある。

 


沢木耕太郎は<その果てしない旅と人生を、

 

彼の著作と一年間の徹底的なインタビューをもとに>

 

まさに言葉により<旅>を彫琢してゆく。

 

 

 

 

 

 

 

西川一三著『秘境 西域八年の潜行』中公文庫

 

 

 

 

その旅の全貌は見返しにある地図に克明に記され、

 

あまりの広大さに圧倒される!

 

 

西川の新しい土地への衝動といえる熱情、

 

なんども死線をくぐり、

 

困難を乗り越える喜びが、

 

まっすぐに突き刺さる。

 

 

奇しくも西川氏が旅立った2月7日は

 

チベット暦の元旦。

 

 

 

ノンフィクションはほとんど読まないのですが、

 

この『天路の旅人』、圧巻!