あの山田詠美の
ことだまを、たましいをたどる自伝小説。
そこには
「初めて「売文」を試みた文学少女時代、
挫折を噛み締めた学生漫画家時代、
高揚とどん底の新宿・六本木時代、
作家デビュー前夜の横田基地時代、
誹謗中傷に傷ついたデビュー後、
直木賞受賞、
敬愛する人々との出会い、結婚と離婚、そして......」。
時間をかけ、その積み重ねられた記憶は
言葉へ、小説へと昇華してゆく。
こうしてひとは小説家になってゆくのか・・・
「小説家という生き物」を自身で解剖、解析してゆく。
<私は、この自伝めいた話を書き進めながら、
自分の「根」と「葉」にさまざまな影響を及ぼした
言霊の正体を探っていこうと思う。>と、山田詠美。
年来の友人と食事のスケジュールを話していて、
詠美「あっ、その日は、ダメ。芥川賞の日だから」
友人「今度はどう、取れそうなの?」
詠美「違うよッ、審査員なんだよ」
友人「ええッ!?」
「なんてチャーミングな!」と思わず
身を乗り出すような
敬愛の宇野千代先生のエピソードなどなど、
まさに<小説家の魂の航海>!