遠田潤子『邂逅(わくらば)の滝』 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠田潤子『邂逅(わくらば)の滝』光文社 2023年9月刊

 

 

「紀州の山間の小さな町に紅滝(くれたき)という美しい滝がある。


その滝には運命の恋と信じた相手に裏切られた姫の、哀しい伝説があった。


だが、彼女と男の、逃れることのできない、さだめの、のろいの恋は、


そんな生やさしいものではなかった。


現代から、大正、江戸、安土桃山、そして南北朝へと、


いびつな螺旋を描きながら、二人の恋は繰り返す。」と帯に。

 

 

現代から南北朝まで時代に

 

ねじれる螺旋のように織りなされる連作短編。

 

この滝を巡る男と女の物語が

 

何処までも精緻に、

 

その非情ともいえるまなざしのなかに、描き出される。

 

その筆力は圧倒的。

 

 

装幀:鈴木久美

 

写真:TETUO WADA

 

 

飛沫がふりかかるような<滝>の写真、

 

迫力が凄まじい。

 

そして、美しい本です。

 

 

 

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