この刺し貫かれる視線、
詩人・吉増剛造の若き日のポートレート。
「脚注・吉増剛造による吉増剛造による吉増剛造」展、
ただいま前橋文学館で開催中。
吉増剛造『我が詩的自伝』
サブタイトル「素手で焔をつかみとれ」
この表紙、視線に
刺しつらぬかれてしまう。
それでいて、
詩人のやわらかい口調・声が聞こえてきそうな本。
ブックデータではこのように。
「吉本隆明はかつて言いました。
『現在、日本に詩人と呼べる存在は3人しかいない。
田村隆一、谷川俊太郎、そして吉増剛造だ!』。
現代日本を代表する先鋭的な詩人として、
国際的に高い評価を受けている吉増剛造。
詩の朗読パフォーマンスの先駆者として海外で
「KAMIKAZE GOZO」とセンセーションを
巻き起こした若き日から、
パノラマカメラや多重露光を多用した写真表現、
オブジェ作品、映像作品の制作に至るまで、
他ジャンルと積極的に横断した多彩な
創作活動を展開しています。
戦時下に多感な幼年期を過ごした「非常時の子供」が、
その傷を抱いたまま詩人となるまで。
郷里の多摩川の冷たい水の底の記憶。
進駐軍の「オンリーさん」と、
米国人牧師の「聖書」の言葉の響き。
戦後の混乱期の渋谷でのキャバレーバーテン生活と
関西への放浪。
詩壇へのデビュー。
アメリカ、ブラジルなど海外体験。
南島、北方など「辺境」への偏愛。
ジョナス・メカス、ジャン=リュック・ナンシー、中上健次など
内外の芸術家、哲学者、小説家たちとの交流。
本書は、一貫して「市井の人」として
筆一本で歩んできた一人の詩人が、
自ら内面の軌跡を縦横無尽に
語り尽くした驚きの<詩的自伝>です。
内容(「BOOK」データベースより)
2016年6月には
東京の国立近代美術館で、
その芸術活動を俯瞰する
大規模な「吉増剛造展」が開催。
詩人の展示が美術館で稀有なこと。
駆けつけました!