14歳のモーツァルト作曲 オペラ「ポントの王ミトリダーテ」! 宮城聰演出 @ベルリン歌劇場 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 



 


オフィシャルの予告編
(現在こちらなら全編視聴可能)
 
 
 
モーツァルト作曲『ポントの王ミトリダーテ (Mitridate, re di Ponto)』
 
NHKプレミアムシアターに登場。
 
モーツァルト、14歳の作作品!?
 
このオペラ「ポントの王ミトリダーテ」
 

2020年11月初演予定がコロナで2年遅れ、

 

ベルリン国立歌劇場(Staatsoper Unter den Linden)に

 

初の日本人宮城聰の演出!

 

と話題になっていたオペラ。

 

 

宮城さんがインタビューで語られたのは

 

「<オペラ セリア>の様式にのっとり、

 

等身大でない人物像を造形し、

 

ラストに鎮魂を入れる事で<復讐の連鎖を避ける>」とのこと。

 

「歌舞伎と桃山時代を織り込む」という舞台美術は

 

舞台は4段の雛段が置かれ、

 

その背景となる画は

 

「風神」「竹林」「富士山・鷹・牡丹」

 

これが一瞬にして入れ替わる。じつにあざやか。

 

全面的に「金」、さまざまな諧調の金が多用されて。

 

衣装は男性の兜や鎧も<金>、

 

女性も着物のようなゴージャスで華やかなこと。

 

被り物も孔雀、龍、獅子、蜥蜴などまさに桃山。


 

アスパージアのラビンは清明でいて勁いソプラノで、美しい。

 

王、息子2人から慕われるという役も納得。

 


シーファレのブラウアーはズボン役(女性が男性を演じる)

 

アスパージアと相思相愛の武将役が際立っていました。


イズメーネのアリスティドゥは一人だけタイの様な東南アジア風。

 

タイトルロールのパティはじつに伸びやかで、

 

とても染み入るような弱音からハイトーンまでの響きのテノール。

 

その容貌、そのがっちりした容姿も

 

武の王にふさわしい。

 

ファルナーチェのベノ=ジアンはカウンターテナー。

 

 

18世紀のオペラは高音が時代の好みなのでしょうか。

 

登場人物は女声のソプラノ、メゾソプラノ、

 

アルト、(この頃だとカストラートも)。

 

 

緊張感をもって、

 

古楽の楽曲が楽しめたオペラです♪

 

 


 ミトリダーテ:ペネ・パティ [Pene Pati]


 アスパージア:アナ・マリア・ラビン [Ana Maria Labin]


 シーファレ:アンジェラ・ブラウアー [Angela Brower] (ズボン役)


 ファルナーチェ:ポール=アントワーヌ・ベノ=ジアン [Paul-Antoine Bénos-Djian]


 イズメーネ:サラ・アリスティドゥ [Sarah Aristidou]



<管弦楽> グルノーブル・ルーヴル宮音楽隊 [Les Musiciens du Louvre Grenoble]


<指揮> マルク・ミンコフスキ [Marc Minkowski]


<演出> 宮城聰 [Satoshi Miyagi]

収録:2022年12月9・11日 ベルリン国立歌劇場(ドイツ)