オフィシャルの予告編
(現在こちらなら全編視聴可能)
2020年11月初演予定がコロナで2年遅れ、
ベルリン国立歌劇場(Staatsoper Unter den Linden)に
初の日本人宮城聰の演出!
と話題になっていたオペラ。
宮城さんがインタビューで語られたのは
「<オペラ セリア>の様式にのっとり、
等身大でない人物像を造形し、
ラストに鎮魂を入れる事で<復讐の連鎖を避ける>」とのこと。
「歌舞伎と桃山時代を織り込む」という舞台美術は
舞台は4段の雛段が置かれ、
その背景となる画は
「風神」「竹林」「富士山・鷹・牡丹」
これが一瞬にして入れ替わる。じつにあざやか。
全面的に「金」、さまざまな諧調の金が多用されて。
衣装は男性の兜や鎧も<金>、
女性も着物のようなゴージャスで華やかなこと。
被り物も孔雀、龍、獅子、蜥蜴などまさに桃山。
アスパージアのラビンは清明でいて勁いソプラノで、美しい。
王、息子2人から慕われるという役も納得。
シーファレのブラウアーはズボン役(女性が男性を演じる)、
アスパージアと相思相愛の武将役が際立っていました。
イズメーネのアリスティドゥは一人だけタイの様な東南アジア風。
タイトルロールのパティはじつに伸びやかで、
とても染み入るような弱音からハイトーンまでの響きのテノール。
その容貌、そのがっちりした容姿も
武の王にふさわしい。
ファルナーチェのベノ=ジアンはカウンターテナー。
18世紀のオペラは高音が時代の好みなのでしょうか。
登場人物は女声のソプラノ、メゾソプラノ、
アルト、(この頃だとカストラートも)。
緊張感をもって、
古楽の楽曲が楽しめたオペラです♪
ミトリダーテ:ペネ・パティ [Pene Pati]
アスパージア:アナ・マリア・ラビン [Ana Maria Labin]
シーファレ:アンジェラ・ブラウアー [Angela Brower] (ズボン役)
ファルナーチェ:ポール=アントワーヌ・ベノ=ジアン [Paul-Antoine Bénos-Djian]
イズメーネ:サラ・アリスティドゥ [Sarah Aristidou]
<管弦楽> グルノーブル・ルーヴル宮音楽隊 [Les Musiciens du Louvre Grenoble]
<指揮> マルク・ミンコフスキ [Marc Minkowski]
<演出> 宮城聰 [Satoshi Miyagi]
収録:2022年12月9・11日 ベルリン国立歌劇場(ドイツ)