北村薫『水 本の小説』新潮社 2022年刊
もう一度、読み返しました。
それこそ<水>のように言葉が入ってくる、
そんな小説です♪
帯には
<本は水と呼吸のような、
生きるエネルギー>とあります。
その一編ごとの<水>に身を任せ、
ただよっていると思いがけない
景がひろがり、
このような繋がりがあったのか、
と新たな地平にみちびかれてゆく。
「本を愛する作家が、
言葉と物語の発する光を掬(すく)い取り、
その輝きを伝える7篇」と紹介にある。
装画そして一編ごと扉に大野隆司さんの挿画。
そのぬくもりのあるあたたかな画が、
なんともほんわりと心地よく、
北村作品と響きあっている。
登場するのは
向田邦子、隆慶一郎、山川静夫、遠藤周作、小林信彦、
橋本治、庄野潤三、岸田今日子、エラリー・クイーン、芥川龍之介......
まさに<本の小説>。