北村薫『雪月花』、本の達人による<本の謎解き>♪ | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

北村薫『雪月花』新潮社 2020年刊

 

今年の朔太郎忌、

 

北村薫さんがゲストでいらっしゃる♪

 

この『雪月花』をもう一度、読み返しました。

 

 

 

「本と本とが響き合い奏でる音を愛でる日々。

 

読書愛あふれる初の私小説。

 

解決のない疑問は、解毒剤のない毒薬のようなものだ

 

――どうして! なぜ?と謎は深まる。

 

江戸川乱歩、三島由紀夫、芥川龍之介、山田風太郎、福永武彦.

 

.....小説、俳句、詩歌に音楽、小沢昭一の随筆も登場。」

 

 

と紹介にある。

 

 

が、最初に取りあげているのは朔太郎。

 

「四輪馬車」をどう読むか(詩にはルビはない)、

 

「しりんばしゃ」か、「よりんばしゃ」か。

 

<しずかに><きしれ><しりんばしゃ>と「し」の音を大切にしたい。

 

いや、<よりんばしゃ>でしょう。

 

CDでは谷川俊太郎も岸田今日子もそう読んでいる。

 

 

あるいは朔太郎のオノマトペについて。

 

あの<のをあある とをあある やわあ>という犬の吠える声。

 

鶏は<とをてくう、とをるもう、とをるもう>をめぐる考察。

 

 

本を読んで、ふとおこる疑問、

 

その<謎>をたどり、時空をめぐる。

 

そんな本の愉しみが次から次へと繰り広げられる♪

 

それがこの『雪月花』。

 

 

目次

 

よむ

つき

ゆめ

ゆき

ことば

はな

 

 

ほんわりとした装画や挿画は大野隆司。

 

 

 

◆北村 薫
1949年埼玉県生まれ。早稲田大学ではミステリ・クラブに所属。

母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、

89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。

91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。

小説に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)

『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。

読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジー、

創作や編集についての著書もある。

2016年日本ミステリー文学大賞受賞