「アルゲリッチ&フレンズ」
~イヴリー・ギトリスへのオマージュ~
高崎芸術劇場大ホールは満員のお客様。
至高のピアニスト アルゲリッチを<聴く>という
静かな、それでいてひたひたと押し寄せる熱気が
ホールに満ちています。
登場したアルゲリッチ、
紺色のトップスに紺に大き目のチェック柄。
モーツァルト:4手のためのピアノ・ソナタ ニ長調K.381
プリモは海老彰子
セコンドをアルゲリッチ。
もう最初のフレーズから晴れやかで、軽やかで
なにを表現するとか、ピア二スティックなことなど
<地上>のことなど飛び去って
天上ので自在戯れているいるかのよう。
セコンドに音楽が渡されると海老さんは体を後方にずらし
アルゲリッチが弾きやすいように。
お客様からはアルゲリッチがよく見える♪
なにか大ホールがお二人のサロンにでもなったかしら、
と思えるほど、ホールがあたたかな幸福感につつまれて。
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
辻彩奈のヴァイオリン、
繊細にして強靭、なんと色彩豊かなこと!
アルゲリッチのピアノは辻さんに細やかに寄り添って。
シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 op.44
(アルゲリッチ&カルテット・アマービレ)
笑い声と共に登場でなんとも和やか。
カルテット・アマービレは聴いてみたかった四重奏団。
ピアノとこのカルテット・アマービレ、
切れの良い、鋭利な音が、シューマンが
緊張を要求しているのになんて心地よいこと。
中恵菜さんのヴィオラ、
その厚い響きに惹きつけられる。
カルテットのなかでヴィオラをこんなに意識するのは初めて。
カーテンコールは、
カルテット・アマービレとシューマンの3楽章を再演。
盛大な拍手にアルゲリッチが「こんどはこちらよ」と
五人で上手で、下手でご挨拶。
こんなに至高で、
至福なコンサート、
稀有なこと!
家に帰ってもモーツアルトが、フランクが、シューマンが
心身のなかで響いて。
アルゲリッチ&フレンズ ~イヴリー・ギトリスへのオマージュ~
2022年11月12日(土)
高崎芸術劇場 大ホール
16:00開演(15:15開場)
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
海老彰子(ピアノ)
辻彩奈(ヴァイオリン)
村田夏帆(ヴァイオリン)
カルテット・アマービレ(弦楽四重奏)
ヴァイオリン:篠原悠那、北田千尋
ヴィオラ:中恵菜
チェロ:笹沼樹
プログラム
モーツァルト:4手のためのピアノ・ソナタ ニ長調K.381
(アルゲリッチ&海老彰子)
フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調 op.13
(村田夏帆&海老彰子)
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調(辻彩奈&アルゲリッチ)
シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 op.44
(アルゲリッチ&カルテット・アマービレ)