白石正人 句集『泉番』、ご恵与いただきました♪ | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白石正人 第二句集『泉番』(晧星社)を

 

ご恵与いただきました。ありがとうございます。

 

 装幀:間村俊一

 

 装画:佐中由紀枝「鳥の風景」

 

素敵な造本です。

 

 

 跋は福島泰樹「よしや楼蘭遠くとも」

 

句をひき、著者白石正人との邂逅に触れ、

 

「読ませる」跋はさすが。

 

わたしも好きなこの「麒麟の舌」は帯文に。

 

   

   列島を麒麟の舌がねぶる梅雨

 

 

 「このスケールを、字数にして十三字、

 

音数にして十七音でやってのける。

 

日本列島を麒麟の長い舌が舐めている像が、

 

梅雨の気分とともに鮮やかに浮かびあがってくる。

 

俳句芸術が生み出した勲といおう!」

 

 

 

 この句集名は著者「あとがき」に

 

句集名の『泉番』は、寺山修司全歌集にあった「森番」から

 

メチエとしての泉の番人を夢想しタイトルとしました。

 

その寺山の短歌は、『われに五月を』の

 

「ねむりてもわが内に棲む森番の少年と古きレコード一枚」からでしょうか。

 

 

俳句について白石さんはあとがきでこのように言っておられます。

 

 俳句について、シンプルな眼差しで

 

シンプルに詠むのがいちばん「かっこいい」と思うに至りました。

 

そして死ぬまで「かっこよく」詠みたいと願っています。

 

五年後、どうなっているかは神のみが知っていることですが、

 

生きている限り第三句集を出すだろうと確信しています。

 

 

 

◆好きな句

 

狼声の凛乎たらずば絶え果てよ

 

鹿の眼の渇いてをりぬ冬木立

 

蒼穹へ二月の鷹の叫びたし

 

折鶴の角で喉突く安吾の忌

 

蠛蠓(まくなぎ)を払はねば闇脱けられず

 

荒海や海鼠どこまで這いずるか

 

冥途へと一段倒す藤寝椅子

 

やはらかに近づいてくる跣足(はだし)かな

 

冬菊やそこなおとこの手が綺麗

 

海鼠にも顔はありけり海の暮れ

 

堅気に生まれ無頼に沈む冬の蜂