聴かれたこと、ありますか?「愛と海の詩(うた)」ショーソン作曲 7年前ですか・・・、昨日のよう | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

エルネスト・ショーソン作曲による


「愛と海の詩(うた)。

 

好きな曲です。

 

これを歌ったのは2014年、7年前でしたか(!?)

 

昨日のようです(笑)。

 

高崎演奏家協会第34回の定期演奏会でのこと。

 

 

この「愛と海の詩は

 

25分の長大な連作歌曲。

 

「水の花」そして

 

「愛の死」「リラの花咲く季節(とき)」

 

この2曲は休みなく演奏されます。

 


プログラムに載せるものをこちらに。
(300字ですので、ちょっと書きたらないのですが)


   「愛と海の詩」より「愛の死」

エルネスト・ショーソン(1855-1899)の独唱と管弦楽よる歌曲。


詩はモーリス・ブショール。

「愛と海の詩」は

 

「水の花」、


間奏曲、


「愛の死」からなり、十年をかけ書かれた。



 「愛の死」は三つの部分からなる。


第一部は喜びにあふれる旋律に始まり、


長い間奏のあと

第二部では葬送のような


ゆるやかで重い音の流れから、


たえきれぬ激情となり高潮し、


つかのまの幸せ、忘れられた愛、


そしてその「愛の死」があらわる。


やわらかな旋律は


敬愛したワーグナーの半音階的手法をうかがわせる。



第三部は「リラの花咲く季節(とき)」と題され

独立して歌われることも多い。


そのフィナーレは嫋々とした憂愁をおび、


叙情的な大作である。

 

 

 

 

◆ブショールの詩を(がんばって)訳してみました♪

 

 

「愛と海の詩(うた)」より「愛の死」「リラの花咲く季節」
                           
                            詩 モーリス・ブショール
                            訳詩 山本 掌


すぐに 青い 喜びの島が


岩岩の間からあらわれ


静寂をたたえた水面(みなも)に


睡蓮のようにただよう



紫水晶(アメジスト)の海をわたり


やわらかにすべる小舟


喜びも 哀しみも


さまざまに思い出すことか すぐに!



風に枯葉は舞い舞いて


夜、わたしの思いも枯葉のように舞い舞いて


露のしずくする幾千もの黄金(こんじき)の薔薇を


漆黒の空にこんなにもあまやかに輝やかす



枯葉はかさこそと金属的(メタリック)に


おぞましく舞い舞いて


星のもとで呻く


終わってしまった愛のことを



銀(しろがね)の橅(ぶな)の樹は


月の口づけでまさに亡霊


わたしの血は凍りつく


愛するひとの不可思議なほほえみで



わたしたちの顔は死者のように青ざめ


沈黙のなか 身をよせて読んでしまう


愛するひとのおおきな眸に


運命のことば 「忘却」と



リラの時刻(とき)も


薔薇の時刻も


もう戻りはしない この春


リラの時刻も 薔薇の時刻も


撫子の時刻も 過ぎさり



風は変わり


空は鬱鬱とし


花咲くリラやあの美しい薔薇を


摘みにゆきはしない


春は哀しく 花は咲きはしない



その前の年


あのしあわせな やわらかな春


わたしたちをかがやかせた 春


愛の花はすでに色褪せ


あなたの口づけでさえ蘇らせはしない



そしてあなた


どうしたというの?


はれやかな太陽も


涼やかな木陰も


ありはしない



リラの時刻(とき)も


薔薇の時刻も


愛とともに


死に絶えた


永遠(とこしえ)に