山口小夜子「ペレアスとメリザンド」糸あやつり結城座へ客演 @NHK-BS | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山口小夜子「ペレアスとメリザンド」の

メリザンドを演じ、話題を呼んだ1992年の公演を

NHK-BSで観ました。



江戸糸あやつり結城座への客演、

どのように人形と演じるのか、興味深くて。



30本以上の糸をあやつり、

山口小夜子はメリザンドを演じ、

おりにメリザンドの人形を遣う。

各役の人形を遣い、そして台詞をしゃべる。

人形と人の大きさの異なったものが、気にならなくなって

不思議な時空が顕れるその舞台。



この作品は「青い鳥」のメーテル・リンクによって書かれ、

オペラではドビュッシーの作曲しています。

つねにメリザンドの<正体>のなさ、

なんなのだろう、

 

という疑問がついてまわったのですが、

山口小夜子のメリザンドで、なにかみえてきたような・・・



人間の世界へ間違って、

あるいは此処にないどこか、

異世界・月世界のようなところから遠流された

<ひと>のような形をとったの

 

がメリザンドではないか、と・・・



彷徨っているメリザンドをみつけ、

結婚をしたゴローの人間・男の苦悩とは

絶望的に距離のあるところにいて、

 

死んでゆく。

それがメリザンドか、と。



<山口小夜子>という存在があって、

初めて具現した舞台。

 

 

 

結城座公演(1992年上演)

「ペレアスとメリザンド」

 

作:メーテルリンク

 

演出: 佐藤信

 

人形デザイン: 串田和美

 

出演:江戸糸あやつり人形結城座

 

  山口小夜子

 

ピアノ演奏:荻野清子