藤村実穂子<シャルロット>、圧巻! 2年前でした @新国立劇場オペラパレス | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藤村実穂子のシャルロット、素晴らしかった!

2019年3月の初日に観劇。

その舞台、2020年3月に

<新国立劇場巣ごもりシアター>で配信されました。




そのおりのブログ、こちら。



オペラ「ウェルテル」を初日(19日)に観てきました。

メゾソプラノ・藤村美穂子さんを聴きにいったのですが、

もうもう素晴らしくて、

 

圧倒的なシャルロット!

藤村さんをオペラで聴くのは初めて。


いまさらですが、ディクションのなんと美しいこと。

今回の初役のシャルロットの

 

フランス語も明瞭で、子音そして母音、

言葉が明晰で、

 

それで声の響き、メロディーも際立ってきます。


声それ深みがあって、美しい。

ずっと聴いていたくなる心地よさ。

磨きぬかれたその声はしなやかな絹糸。

それが撚りあわされ、

 

艶をたたえてあでやかで、

芯はゆるぎなく、それでいて柔らか。


声は藤村さんから出ているのですが、

<音>のドームとなって、彼女をつつみ、

劇場いっぱいにひろがってゆく。


ウェルテルの愛の言葉をあびている

その背や横顔、感情のゆらぎと

「いえ、いけない」という理性のせめぎあい。



シャルロットを<生きている>。

シャルロットが誠実であるからこそ、

その<愛>と<現実>とのはざまで苦悩する。



三幕の「手紙の場」から

 

アリア「涙を流させるままに」は圧巻。

「手紙」の肺腑を抉るような切実さ、

「涙」では、こちらも滲んできて・・・

窓のむこうには雪が降っていました。


ウェルテルはアルバニアのテノール、サイミール・ピルグ。

ヴィジュアルも、背丈もあって素敵です。

なによりも詩人にみえました。 

声は明るく、のびやか。

ときおり響きが引っ込んだりしましたが。


指揮はイギリス人ポール・ダニエル。

演出はニコラ・ジョエル。

ドイツの村の木木、第2幕では背景に山々、

自殺するウェルテルの部屋には書棚に本。

マスネーの音楽の流れにそった、演出でした。


 ウェルテル・・・・・・・・・・サイミール・ピルグ


 シャルロット・・・・・・・・・藤村実穂子


 ソフィー・・・・・・・・・・・幸田浩子


 アルベール・・・・・・・・・・黒田博



指揮・・・・・・・・・・・・・ポール・ダニエル


演奏・・・・・・・・・・・・・東京交響楽団

 

 

 

 

 

 

 




◆舞台写真はこちら
 https://www.facebook.com/search/top/?q=%E3%82%AA%E3%83%9A%E3%83%A9%E3%80%8C%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%86%E3%83%AB&epa=SEARCH_BOX