緒方規矩子・衣装デザイナー、
読売演劇賞 芸術栄誉賞を受賞されました!
オペラの衣装といえば緒方先生。
立ち稽古のおり、スタジオの壁面に
その役ごとのデザイン画がずらりと並び、
一気にオペラの世界へ。
ソリストの方々もこのデザイン画で役の性根をつかんだ、
と言われています。
オペラ、バレエ、演劇でも縦横に活躍され、
「台本を読み込む」その深い洞察力、
それを<衣装>という目に見える形にされて。
三島由紀夫「サド侯爵夫人」の公演のおり、
玉三郎さんとお二人でミラノに
ふさわしい布地を求めに行かれたことも。
青山劇場での創作ミュージカル「龍の子太郎」、
私も出ていたのですが、
ゲネプロで照明があたったヒロインの衣装の色が、
意匠にあわなかった。
が、
次の初日に新しい衣装!?
なんども<染>を試して制作され、
その晩は徹夜だった、と聞いています。
そのひとつひとつの舞台にそのようなに取り組まれている・・・
緒方先生が劇場に入られると、
スタッフはもとより、キリっと舞台裏の空気が締まります。
そうそう、初めてのオペラのおり、
緒方先生のメイクの実習がありました。
そのとき、手ぬぐいを使っていたということで、
私がモデルに。
説明をしながら先生が
線を、色を入れてゆきます。
「おお! ビジン!」と終わった時、受講生から声があがり、
鏡をみるとなるほど顔の<半分>、
ビジンになっていました(笑)。
これこそ究極のビフォーアフター。
「あとの半分は自分でやりなさい」と、先生。
上演のオペラごとにわたされる顔のデザイン画で、
メイクとは<役の「顔を造る」>、
ことと学びました。
緒方先生、受賞おめでとうございました!
緒方規矩子著『舞台衣装のデザイン』