清宮質文「あの夕日の彼方へ」展、
高崎市美術館で観たのは
4年前の今日でした。
その静けさをたたえた詩情、
彼方からの微光のような、
かけがえのない作品たちでした。
◆「清宮質文(せいみや・なおぶみ 1917-1991)展を
高崎市美術館で観る。
展示はすでに後期になって。
清宮の木版、ガラス絵、モノタイプの作品が
年代順に並ぶ。
その静けさ、その此岸とも彼岸ともみえる詩情に
ほのかな灯火、かそけき蝶などに、身をゆだね、
ただただ、ただよう。
2017年1月31日(水)まで。
◆高崎市美術館 ホームページ
http://
木版画家として知られる清宮質文(せいみや・なおぶみ1917-1991)。
その静かな詩情は今なお多くの人を魅了し続けています。
人の営みに寄せる深い共感と、彼方へと開かれてゆく想像力の
限りない可能性を示してくれたことこそが、その仕事の本質です。
没後四半世紀を過ぎ、生誕100年を迎える清宮の想像力に
時空を超えてつながることを通して、
私たちは「絵を描く/見る」ことの本質に触れます。
これまで清宮の主な仕事である木版画と、水彩、ガラス絵、
モノタイといった傍らの仕事とは明確に区別されてきました。
生誕100年を記念するこの展覧会では、
年代順に制作テーマの変遷を追いながら、
清宮質文という「表現形式に「絵」という方法をとっている詩人」の仕事を、
あえて「透明水彩を用いた詩想(詩的創造・想像)」という一つの視点から、
木版やガラス絵といった区別なく詩的ヴィジョンの実現をめざす
一枚の絵として再検証します。
そして初期の油彩画も含めて光をめぐる「実在感」に迫ったまなざし、
特に時間と空間、永遠と一瞬を描く生涯のテーマである「夕日」の彼方で、
清宮質文のまなざしとの再会を試みます。