現代美術の定点観測と副題がつけられた
「佐賀町 エキジビット・スペース1983-2000」企画展です。
題名のように佐賀町のビルを修復し、
小池一子により、この17年のあいだに106の展覧会、
作品を発表した日本、海外のアーティストは400人以上、とか。
その活動の回顧展。
野又穫の静寂のなかに古代とも近未来ともとれる
空想の建造物にまた会うことができました♪
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森村泰昌「美術史の女王」、
むろんその女王の顔は森村自身。
杉本博司「カリブ海」「日本海」の写真。
刺激的な作品群がずらりとならびます。
◆群馬県立近代美術館 ホームページ
日本の現代美術が飛躍的に発展した1980年代、世界のアートシーンには、ドイツにクンストハレ(コレクションを持たない美術館)があり、アメリカではニューヨークのPS1(廃校となった公立小学校を改修し展示ギャラリーとアーティスト・イン・レジデンスを併設)が先鞭をつけるなど、新しい作家を生むインフラストラクチャーの開発が多く見られました。
そのような状況の中、パルコなどの企画広告ディレクターであり、「現代衣服の源流展」(京都国立近代美術館、1975 年)や「マッキントッシュのデザイン展」(西武美術館、1979年)などのキュレーション、またプライベートブランドの先駆けでもある「無印良品」の立ち上げなどに関わった小池一子は、東京都江東区佐賀町にあった食糧ビル(1927年竣工)の3階講堂を修復し、1983年に佐賀町エキジビット・スペースを開設しました。「美術館でも商業画廊でもない」もう一つの美術現場を提唱し、発表の場を求めるアーティストに寄り沿う姿勢を打ち出す実験的な展示空間として、佐賀町エキジビット・スペースは、美術、デザイン、ファッション、建築、写真といった従来のジャンルを超えた、日本初の「オルタナティブ・スペース」として海外からも注目される存在となりました。
佐賀町エキジビット・スペースで行われた展覧会は106回、関わった国内外のアーティストは400人以上にのぼり、2000年12月に幕を閉じるまで、多種多彩な現在進行形の美術を発信し続けました。その一連の活動は「定点観測」という言葉に集約することができます。本展は、開設から17年にわたる佐賀町エキジビット・スペースを拠点とした定点観測を通して、日本の現代美術の軌跡を辿るものです。
◆出品作家
戸村浩/ジェリー・カミタキ/ 端聡/駒形克哉/みねおあやまぐち/ 岡部昌生
野又穫/剣持和夫/吉澤美香/大竹伸朗/シェラ・キーリー/ 杉本博司
元慶煥/森村泰昌/堂本右美/滝口和男/ヨルク・ガイスマール/ 黒川弘毅
倉智久美子/立花文穂/オノデラユキ/白井美穂/岡村桂三郎/ 廣瀬智央/日高理恵子
2020年12月13日(日)まで。