画家・南城一夫、今年は生誕120年。
南城一夫(1900ー1986)、前橋に生まれ、
上野美術学校、パリ留学帰国後は終生、
故郷前橋で制作を続けました。
南城の画に出会ったのは何十年も前、
「釣り人」という小品でした。
その静寂な画面に惹きつけられて。
今回の展示は群馬県立近代美術館蔵の
油彩画、水彩、リトグラフ全27点。
代表作のひとつ「仔山羊のくる部屋」、
右にオルガンを配し、
そっと訪ねてくる仔山羊のたたずまい。
- 主な収蔵作品|群馬県立近代美術館 (pref.gunma.jp)
パリで苦闘の末、
自身の画をみつけたという「鯛の静物」、
この鯛の目が愛らしい。
- 主な収蔵作品|群馬県立近代美術館 (pref.gunma.jp)
「ひまわり」が2点。
モティーフの親しみやすさもありますが、
その詩情、
なにより静謐な画面が
いまこの場を、
時をも浄化してゆくよう。
他の展示室2に朋友・岡鹿之助のとともに
南城の「盛花」があります。
◆南城一夫1900-86(明治33-昭和61) |
前橋市に生まれる。1918年、旧制前橋中学を卒業して上京、岡田三郎助の主宰する本郷絵画研究所で絵を学び、同所で岡鹿之助、伊藤廉と知り合う。20年、東京美術学校西洋画科入学。24年、岡と共に渡仏。戦争により帰国を余儀なくされる37年まで滞仏。ロジェ・ビッシェール、アンドレ・ロートなどに学ぶ。39年、中学からの友人であった横堀角次郎に勧められて春陽会に出品。翌年、会友となる。戦後の一時期、日本国際美術展や現代日本美術展などにも出品したが、春陽会を主な発表の場として活動。66年、銀座・兜屋画廊での個展、77年、銀座・松坂屋で回顧展、81年、群馬県立近代美術館での「南城一夫展」がある。前橋の借家を離れることがほとんどなく、 晩年安中に転居して死去。 |
2020年12月13日(日)まで