圧巻、ガランチャの「カルメン」! メトロポリタン歌劇場 2010年上演 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

エリーナ・ガランチャのカルメン、

期待うわまわる、素晴らしさ!


歌手としての存在感が図抜けている。

安定感のある歌唱はもとより

演技の巧みさが傑出している。



感情の流れがひとフレーズごとにくっきりと。

繊細にして、大胆なこと。


1幕、ハバネラ、たばこ工場のあまりの暑さで、

仕事着を水洗いしながら(?)歌うカルメン。

スニガを手玉に取りながら、

ホセ(アラーニャ)を誘うまなざし。

野性味たっぷりなカルメンが立ち現われる。

女工同士の喧嘩で捕らえられ、

 

カルメンは逃げだす。

逃がすホセはもう蜘蛛の糸に絡めとられて。









2幕、幕があがると無音、

ダンサーが靴音でリズムを刻み、

フラメンコを踊るダンサー、

そこにオーケストラが入ってくる。

この演出も巧みで、じつに印象的。

 

 

 

 

 

 

 



猥雑で、いかがわしいリリャスパスティアの酒場で、

「ジプシーの踊り」をカルメンはダンサーとともに踊り!、

四人の男性踊り手にリフトされた態勢でも歌う!?。

 

 

 

 

 







ホセの歌いあげる「花の歌」のあとのきっぱりとした「Non!」

 

 

 

 







3幕「カルタのうた」

フラスキータとメルセデスの軽やかで明るいメロディーに

地を這うような「Mort 死」、

ミカエラとホセのやり取りのあいだの乾いた笑い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


そして4幕、「死」への息詰まるシーンは

まさに格闘のよう。



ガランチャは歌った、演じたというより

この舞台でカルメンを<生きて>いた!


ビゼー作曲「カルメン」は傑作!!




◆2010年、メトロポリタン歌劇場の公演。

指揮:ヤニック・ネゼ=セガン

演出:リチャード・エア


出演:エリーナ・ガランチャ(カルメン)

   ロベルト・アラーニャ(ホセ)

   バルバラ・フリットリ(ミカエラ)

   テディー・タフ・ローズ(スニガ)

 

 

(画像はメトロポリタンビューイングからお借りしました)