遠田潤子『雨の中の涙のように』、新刊は連作短編! | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠田潤子『雨の中の涙のように』

待望の新刊は連作短編です!



この作品では、

 

一編ごとに自身の過去に縛られて、

屈託や苦悩をかかえて、生きがたい、

それぞれの「主人公」が

<堀尾葉介>というスター、

 

輝かしく、

しかもだれでもが好意をよせるような人物と

出会い、それが各章の「主人公」の心を揺さぶり、

人生すらも変えてゆく。



この「光」そのものである<堀尾葉介>、

その葉介の<光>そのもののような存在の

測り知れない<闇>。

最終章でカチッとピースがはまって、

いままでの各章が、

<堀尾葉介>が、

 

すっくと立ちあがってきます。



どうぞ、お読みになって、その醍醐味を味わってください。



  装画(写真ですが)、

 

雨のしずくがうつくしい。

  題字の三行の配置、

 「雨」や「涙」の活字が雨に滲んでいます。

  装幀は鈴木久美。



 目次
第一章 垣見五郎兵衛の握手会


第二章 だし巻きとマックィーンのアランセーター


第三章 ひょうたん池のレッド・オクトーバー


第四章 レプリカントとよもぎのお守り


第五章 真空管と女王陛下のカーボーイ


第六章 炭焼き男とシャワーカーテンリング


第七章 ジャック ダニエルと春の舟


最終章 美しい人生



遠田/潤子


1966年大阪府生まれ。

関西大学文学部独逸文学科卒。
2009年『月桃夜』で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。
’12年『アンチェルの蝶』が第15回大藪春彦賞候補に。
’14年刊行の『雪の鉄樹』が文庫化され、
’16年の「本の雑誌が選ぶ文庫ベスト10第1位」に選ばれる。
’17年に『オブリヴィオン』が「本の雑誌2017年度ベスト10」第1位、
『冬雷』が第1回未来屋小説大賞受賞
この4月刊行の大河小説「銀花の蔵」が直木賞候補。