飯沢耕太郎×萩原朔美「時間を生け捕る」
2017年の対談は
「萩原朔美の仕事展 vol1」のイヴェント。
そのときのブログです。
「定点観測写真」、
同じ場所を、同じアングルで観測するように撮影すること。
その定点観測写真を撮り続ける萩原朔美。
写真評論家できのこ文学研究家の飯沢耕太郎が
聞き役で「時間を生け捕るー定点観測写真」、
その<こだわり>、その<楽しさ>に迫るトーク。
飯沢は「見かけはひじょうに単純な構造なのだが、
その数枚の写真のなかに微妙な差異を
発見することを強制される。それらの写真のあいだで、
視線は宙吊りになり、発見された差異は、
また別の差異を生み出す」と書く。(『写真の力』より)
この「差異」と「反復」についての話。
萩原朔美は「朽ち」てくるのが好き、という。
リンゴの朽ちてくる様、
花はしおれ、人は歳をとる。
それは<死>の側からみる視点。
朔太郎の写真は「のすたるぢあー郷愁」で、
幻の舞台装置であって、
意図的に人物はとらない。
ドキュメントとしての写真ではない、と。
写真は「死」,
すべてのポートレートは「遺影」と。
などなど、興味深い話が次から次へと語られ、
会場は熱い。
「萩原朔美の仕事展」は2017年7月2日(日)まで。