『月に吠える』萩原朔太郎・第一詩集、
1917年刊(感情詩社・白日社)。500部。
朔太郎31歳のおり。
表紙に詩集の題名はなく、
背に『月に吠える』萩原朔太郎、と。
印象的な田中恭吉の装画に飾られ、
口絵は金地黒の人体やひかりが印象的。
ところどころにはさまれる挿画は
田中作品と恩地孝四郎作品。
目次も本文の詩の後に置かれて。
本の上、天もペーパーナイフで
いちまい一枚、切ってゆく仕様。
復刻版でもむろんそのように
造られているのがうれしい。
すみずみにまで目の行き届いた詩集。
詩を一編一編、
まさに味わうようにたどってゆく。
活版の活字の風合い、
その組み方にとても魅かれる。
序を北原白秋、
跋を室生犀星。