ピアニスト ダルトン・ボールドウィンと声楽の師 滝沢三重子先生のこと | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

ダルトン・ボールドウィン先生の公開レッスンで、

かつてのボールドウィン先生のことが思い出されました。

 


日仏歌曲研修所(2年間の研修)があって、

当時フランス歌曲のオーソリティーの先生方が講師。

そこで毎週日本歌曲1曲、

 

フランス歌曲1曲のレッスンがあり、

他に文学や美術の講座がひらかれていました。

そこにボールドウィン先生が前日リサイタルをされた

美しいソプラノ ローズマリー・ランドリーさんとともに登場。

そのピアノを息遣いが聞えるほどの距離で

聴くことができたのは忘れられません。


声楽の師 滝沢三重子先生と

数回リサイタルをボールドウィン先生とご一緒されています。

フランス歌曲の専門家として滝沢門をたたいたのですが、

「(専門は)現代ものよ」とさらりと言われました。

「現代(いま)に生きていて、

その時代のものをやらないでどうするの」、と。

その言葉どおり、リサイタルでの曲は意欲にみちたもの。

世界初演をずいぶん聴かせていただきました。

ピアノ、ダルトン・ボールドウィン(世界的な歌曲の伴奏者)

との相性がよかったのか、

 

後年はよく組んでリサイタルを。

そのサントリー・ブルーローズでの会で、

新曲だったため眼鏡をかけ

楽譜を見るおつもりだったのが、

楽屋に置いたまま。

で、誰が取りに行ったかというとかのボールドウィン。

ナイトのようにうやうやしく眼鏡をささげて。

「あのボールドウィンをパシリに使うのは

 

うちの先生ぐらい(笑)」と。


ボールドウィン先生の息の長い音楽活動を

まのあたりにして、じつに刺激と充実した時間でした。

またの機会を愉しみに!