小説家・皆川博子『夜のアポロン』
2019年3月20日刊。
発行の日に本屋へ、その夜に読了。
妖しく、幻想的な作品(24編)たっぷりの短編集。
これらの作品、雑誌に発表されたまま、
単行本、『皆川博子 コレクション(全12巻)』にも未収録とか。
まだまだそうした短篇があるとのこと。愉しみ♪
福田隆義のイラスト
中川多理の人形と小説とのコラボレー ションも。
装幀は柳川貴代。
この『夜のアポロン』は
2018年10月に刊行された『夜のリフレーン』と
対を成すような造本(こちらも装丁:柳川貴代)。
並べるとうつくしい双子のよう。
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皆川博子が紡ぐ、妖艶かつ幻惑的な短編集
夫に執拗につきまとう女には驚くべき秘密 があった「恋人形」
芝居小屋で起きた人気役者の謎めいた自殺と、
その驚くべき顛末を描く「赤姫」。
絵画をこよなく愛した父の死後、
母の中に巣くう狂気に意外な形で気づく「陽射し」。
女性の秘めた復讐心を静謐な筆致で浮かび上がらせる「紡ぎ唄」。
中川多理氏が制作した球体関節人形から想を得た
「そこは、わたしの人形の」など24篇。
初期の作品から現在までの単行本未収録作品を精選して収録。
短くも濃密な物語の数々に、
著者の物語世界の多彩さと奥深さを堪能できる贅沢な作品集。