オペラ「カルメン」の音楽評、発掘しました!?
音楽評論家・丹羽正明氏によるもの。
1985年 井原直子のカルメン、
この頃「カルメン」といえば井原直子さん、でした。
ホセは林誠、
エスカミーリョは栗林義信、
ミカエラは本宮寛子。
粟国安彦 演出で、
群集・合唱の歌・演技にも注目が集まりました。
なにしろ煙草女工の喧嘩の場では
迫力、熱気、ただならぬものがあって、
評でも「ド迫力!
これが彼女たちの地であったら恐ろしい」と。
わたしもこのなかのひとり。
合唱で出ていました。
粟国演出ではソリスト・合唱の全員に
演出意図をじっくりと解説し、
美術模型で舞台のつくりを説明して。
稽古場には緒方規矩子の
衣装のデザイン画がかけられ、
ここから役のイメージをふくらませた歌手も多い、とか。
照明は吉井澄雄。
長嶺ヤス子のフラメンコもあったこのステージ。
2幕「ジプシーの歌」、
4幕への間奏曲での踊り。
熱狂的なフラメンコを、
ステージの上でまじかに観られた
じつに印象的な舞台でした。