カウフマン「アンドレア・シェニエ」 英国ロイヤルオペラ @NHK-BS | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

公式ページより

 

 

 

 

オペラ「アンドレア・シェニエ」を録画で観ました。

ジョルダーノ(Umberto Giordano, 1867- 1948年)作曲の

ヴェリズモオペラ「アンドレア・シェニエ」。

アントニオ・パッパーノ指揮で、

2015年の英国ロイヤル・オペラハウスでの上演です。


フランス革命前後の1789年~1893年頃、

アンドレ・シェニエは実在の革命派の詩人、断頭台へ。

 

 

 

 

 

ヨナス・カウフマン

 



カウフマンのタイトル・ロール、

翳りをおびた、それでいて輝きのある

カウフマンの声・歌・演技すべてが

 

素晴らしいのは言うまでもありません。

第一幕のアリア「ある日、青空を眺めて」

第三幕の「私は兵士だった」のドラマティックなこと。

第四幕の「五月の晴れた日のように」の詩情あふれる歌唱。

各幕のアリアに聴きほれました。


この舞台では敵役ジェラールのジェリコ・ルチッチ

に惹きつけられました。

主人の令嬢マッダレーナを慕い続け、

従僕から革命の幹部となり、

その権力を使ってでも、マッダレーナを我が物にと謀る。

マッダレーナの直向なシェニエへの愛に、

気持ちをおさえ、シェニエを助ける。

その心理、その心の葛藤、心情が痛いほど。

三幕のアリア「国を裏切る者」、印象的でした。

くっきりとした人間像を刻んで。


マッダレーナの召使のメゾソプラノ、

革命後、娼婦になって、女主人を仕える。

声や姿態にニュアンスがあって。


美術、衣装も音楽の流れにそうもの。

パッパーノ指揮による管弦楽団の音の重厚なこと。

見ごたえのある「アンドレア・シェニエ」。



◆ 4幕2重唱
 https://www.youtube.com/watch?v=hjipWiVPI8s


◆ジェラール アリア
 https://www.youtube.com/watch?v=m-xOn0NVoKs

 

 

 

 

 <ジョルダーノ オペラ「アンドレア・シェニエ」

アンドレア・シェニエ(詩人): ヨナス・カウフマン(T)

カルロ・ジェラール(コワニー家召使→革命政府高官): ジェリコ・ルチッチ(Br)

マッダレーナ(コワニー家令嬢):エヴァ・マリア・ウェストブレーク(S)

ベルシ(マッダレーナの召使→娼婦): デニス・グレイヴス(Ms)

コワニー伯爵夫人: ロザリンド・プロウライト(Ms)
マデロン(老女): エレナ・ジーリオ(Ms)
ルーシェ(シェニエの友人): (Bs)
密偵: カルロ・ボージ(T)

指揮:アントニオ・パッパーノ

演出: デーヴィット・マクヴィガー

英国ロイヤル・オペラ合唱団
英国ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団

(2015年1月29日 英国ロイヤル・オペラ・ハウス)