秀山祭九月大歌舞伎 夜の部は
玉三郎の「幽玄」、
吉右衛門「俊寛」、幸四郎「松寿操り三番叟」。
吉右衛門「俊寛」
絶海の孤島で起きる悲劇。
吉右衛門、さすがの名優、
くっきりとひとりの<男>の覚悟、
千鳥の乗船を拒む上使の瀬尾を殺してまで、
成経とともに赦免船に乗せようとする、
そのドラマが迫ってきます。
ただこの演目「俊寛」は
どうしても十八代勘三郎のそれがあって、
「未来で」を聞くのが辛い。
葵太夫と寿治郎の竹本が素晴らしい。
「そもそもこの島は」の第一声、
鍛え上げられたその太く、
深々とした声に打ち震えて、
この<声>に聞き惚れていました。
近松がいかに名文であることか。
幸四郎「操り三番叟」
人間が糸操りの人形を演じる、その人形ぶりの面白さ。
後見との息の合わせ、それが見もの。