「道化師」はカラフルな舞台になっています。
六分割の舞台に、合唱が一人ひとり、
いきいきと演じていて、オペラを厚くして。
なんといってもカウフマン。
第1幕の最後、カニオの歌う「衣装をつけろ」、これが絶品。
たっぷりと聴かせてくれた。
第2幕の前奏曲の時は、カニオが顔にを白塗りにし、
真っ赤に口を彩ってゆく。
般若に面のようにさえ観えるその顔。
道化師の衣装をつけ、
ネッダやぺっぺの劇中劇、
そのカニオの表情が、動きが、
分割された大画面で映し出される。
虚と実のはざまからだんだんと狂気を増していくカニオ。
それを迫真の演技と見ている群集の目の前で起こる殺人。
この演出、とても面白く観ました。
ティーレマン指揮、ドレスデン管弦楽団
比類のない美しい音、その重厚さ、さすがです。
「カヴァレリア」「道化師」だと
ちょっとイタリアの「生」な<生命感>にあふれたのを
聴いてみたい、ような。
◆歌劇「道化師」
カニオ/道化師:ヨナス・カウフマン
ネッダ/コロンビーナ:マリア・アグレスタ
トニオ/タデオ:ディミトリ・プラタニアス
ペッペ/アルレッキーノ:タンセル・アクセイベク
シルヴィオ:アレッシオ・アルドゥイーニ
<指 揮>クリスティアン・ティーレマン
<演 出>フィリップ・シュテルツル
<管弦楽>ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
<合 唱>ドレスデン国立歌劇場合唱団
ザルツブルク・バッハ合唱団
ザルツブルク音楽祭および劇場児童合唱団
収録:2015年3月26・28日、4月6日 ザルツブルク祝祭大劇場(オーストリア)