1942年5月11日、萩原朔太郎薨去。
今日、5月12日に第46回朔太郎忌が催された。
第一部シンポジウムは「萩原朔太郎をいま、読み直す」
パネラーは詩人の高橋睦郎さん、
美学者の星野太さん、
そして詩人・作家・フランス文学者
司会は萩原朔太郎研究会会長の松浦寿輝さん。
朔太郎をどう読んだか、朔太郎との出会を
高橋睦郎さんから話され、
「投稿少年であった高校生の時に三好達治に評を受け、
いわば朔太郎の孫弟子」であること、
「朔太郎が名医の息子であるにもかかわらず、
変人・詩人であることで、
前橋の人々から迫害され、
それで詩が書けた。
このことが前橋の功績」と。
シンポジウムでは示唆のある発言が多々。
近現代の形而上的な詩を志向したのは
1蒲原有明 2萩原朔太郎、3吉岡実。
あるいは「形而上というのは形而下があるからこそ」
「<魔界>恐れてはならない」。
<『氷島』は実存の骨>
<「崇高」なる残酷さ>
<黄金の滑稽さ>
<金箔付きの孤独>など
詩人・高橋睦朗から発せられた<詩語>に
つらぬかれた。
第2部はリーディングシアター。
朔太郎の「天に怒る」より
「ただ港だけが故郷(ふるさと)だ」
桑原飛宇馬(文学研究者)による演出・脚色で上演され、
今回が初演。
出演は堀内正美さん、柳沢美千代さん、斎藤佑介さん、
手島実優さん、そして萩原朔美さん。
創りこまれたリーディング、
堀内さんの練れた<声>に聞きほれる。
朔美館長のいう
「言葉を声で、身体をとおすことでより伝える」
ことを堪能して。