文学フリマ前橋、先日初出店しました。
そのお隣の方が「星蜘蛛」さん、歌人のかたで、
歌集『黒妙』を刊行されています。
星蜘蛛 歌集『黒妙』
ブログ「星蜘蛛ドクショ帖」、
片仮名の「ドクショ」、読書でしょうか、
それとも毒書?
◆星蜘蛛ドクショ帖
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<月球儀>
先日、文学フリマに参加してきました。
お隣で出会った山本掌様の俳句集をみて
感性の方向が似ている感じがして
嬉しくなりて本書を購入いたしました。
俳句はあまり読みませんが、言葉の選び方がとても好きです。
造本、表紙も素晴らしい。
なんでも『ヴァンパイアのトリプティク』という三連画らしく、
作品の香りが伝わってきます。
冒頭、萩原朔太郎の撮影写真に俳句を詠まれており、
凄いなあ、と感心いたしました。
言葉遣いの勉強にもなります。
右手を「めて」と読み、左手を「ゆんで」と読むとは知りませんでした。
「きなきな」「ほけほけ」など様々な擬音も楽しい。
作者は私と同じく月の住人なのだなあ、と欣喜雀躍。
「月球儀少女幽閉聖五月」
聖五月なんて季語があるなんて知らず調べました。
聖母マリアの月なのですね。
イメージの広がる言葉が並んでいます。
「かなかなかな離人傾向ややすすみ」
「虚言癖無花果食べてもなおりません」
朔太郎も病理的な言葉を巧みに使っていたと記憶しておりますが、
これも素晴らしい。ユーモアも感じられます。
「かなかなかな」のリフレインが効いています。うまい。
「月に触れわがみのうちのもの激つ」
「鎖骨美し月光のはりさけん」
激つと書いて「たぎつ」とは!むむむ、勉強になります。
骨の文字の中に月がある不思議。
いや、月のリズムで人は昔生きていたのだと思います。
源郷のノスタルジアの月。
月耿耿