歌人・星蜘蛛さんのブログ「星蜘蛛ドクショ帖」に句集『月球儀』♪ | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文学フリマ前橋、先日初出店しました。

そのお隣の方が「星蜘蛛」さん、歌人のかたで、

歌集『黒妙』を刊行されています。

 

 

 

 

 

 

星蜘蛛 歌集『黒妙』

 

 

 

 

ブログ「星蜘蛛ドクショ帖」、

片仮名の「ドクショ」、読書でしょうか、

それとも毒書?


◆星蜘蛛ドクショ帖 
   https://ameblo.jp/starspider2/entry-12364992988.html




    <月球儀


先日、文学フリマに参加してきました。

お隣で出会った山本掌様の俳句集をみて

感性の方向が似ている感じがして

 

嬉しくなりて本書を購入いたしました。

俳句はあまり読みませんが、言葉の選び方がとても好きです。



造本、表紙も素晴らしい。

なんでも『ヴァンパイアのトリプティク』という三連画らしく、

作品の香りが伝わってきます。

冒頭、萩原朔太郎の撮影写真に俳句を詠まれており、

凄いなあ、と感心いたしました。



言葉遣いの勉強にもなります。

右手を「めて」と読み、左手を「ゆんで」と読むとは知りませんでした。

「きなきな」「ほけほけ」など様々な擬音も楽しい。

作者は私と同じく月の住人なのだなあ、と欣喜雀躍。



  「月球儀少女幽閉聖五月



聖五月なんて季語があるなんて知らず調べました。

聖母マリアの月なのですね。

イメージの広がる言葉が並んでいます。




 「かなかなかな離人傾向ややすすみ

 「虚言癖無花果食べてもなおりません



朔太郎も病理的な言葉を巧みに使っていたと記憶しておりますが、

これも素晴らしい。ユーモアも感じられます。

「かなかなかな」のリフレインが効いています。うまい。



 「月に触れわがみのうちのもの激つ

 「鎖骨美し月光のはりさけん


激つと書いて「たぎつ」とは!むむむ、勉強になります。

骨の文字の中に月がある不思議。

いや、月のリズムで人は昔生きていたのだと思います。

源郷のノスタルジアの月。


月耿耿