皆川博子『U(ウー)』 本の紹介 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小説家皆川博子の最新作『U』文藝春秋。

作品ごとにあらたな世界を提示し続ける

今回の舞台は1613年、オスマン帝国。

そしてもうひとつの物語は1915年、ドイツ。

第一次世界大戦。


その緻密な描写、

ただならぬ筆力で構築される物語の圧倒的なこと。

ラスト、この二つの物語が重なり、圧巻。



  装画:秋屋蜻一

  装幀:柳川貴代

物語を飾る造本、うつくしい。




帯文をこちらに。

イギリスを中心とする連合国に追い詰められたドイツ帝国海軍は、

Uボートに捕虜救出作戦を命じた。

敵の機雷網や爆雷を潜り抜け、決死の作戦を完遂できるか。

英仏海峡を越える任務に命を懸けた兵士たちの矜持。

1613年、オスマン帝国。中世ヨーロッパ―。

最後の輝きを見せるオスマン帝国で、

豪華絢爛な宮廷生活をおくる王に、捕らわれた少年。

母国語を奪われ、イスラム教徒へと強制改宗させられながらも、

遠き故郷への帰還をあきらめない少年兵の運命。

滅びゆくオスマン帝国と、黄昏のドイツ帝国Uボート。

“数奇な運命”に翻弄される若者たちの物語。