片山真理「帰途」 @群馬県立近代美術館 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
片山真理「帰途」を観る。

片山真理は先天性四肢疾患により

9歳のときに両足を切断。

その装飾した義足によるセルフポートレート、

自身の身体を立体化した作品を発表している。

そのセルフポートレートのまなざしのなんと強靭なことか。

利根川、渡良瀬川で撮影された写真、

観るものの存在・そのありようを問いかけてくる。


3月20日(月・祝)まで

  
 
 
◆群馬県立近代美術館 ホームページ
   http://mmag.pref.gunma.jp/exhibition/index.htm

片山は、先天性の四肢疾患により

9歳の時に両足を切断して以後義足で生活しており、

装飾を施した義足を装着したセルフポートレートや、

自身の身体をかたどった立体作品などにより、

自らの身体・精神と世界との関係を作品化し続けています。

2016年には「六本木クロッシング2016」(森美術館)への出品をはじめ

各地で作品発表が続き、今や日本を代表する

若手アーティストの一人となっています。

片山にとって、作家としてのスタートを切った

当館での11年半ぶりの展示となる本展は、

「瀬戸内国際芸術祭2016」参加企画として直島で開催された

個展「bystander」(傍観者)を引き継ぎつつ、

故郷とのつながりを再確認するものとなります。

直島では、初めて訪れた土地で自身の存在を

異質なものとして意識し、

また初めて他人の身体を作品のモチーフとして取り込んだことで、

自他の関係性というテーマが浮かび上がりました。

本展では、直島で発表した立体をさらに増殖させ、

幼少期より慣れ親しんだ土地──利根川や渡良瀬川の河岸、

自動車が行き交う国道脇など──で撮影した

セルフポートレートとともに展示します。

時間と空間の隔たりを超えて群馬へ帰り着いたとき、

片山の作品はどのような変化を見せてくれるでしょうか。



【作家略歴】
片山真理(かたやま・まり)

1987年埼玉県生まれ。群馬県太田市で育つ。
太田市立商業高校在学中の2005年、
「群馬青年ビエンナーレ'05」(群馬県立近代美術館)で奨励賞受賞。
2010年群馬県立女子大学文学部美学美術史学科卒業。
同年「identity, body it. ―curated by Takashi Azumaya―」(nca、東京)に出品。
2012年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。
同年「アートアワードトーキョー丸の内2012」でグランプリ受賞。
2013年「あいちトリエンナーレ2013」出品。
2014年、小谷元彦個展「TERMINAL MOMENT」(京都芸術センター)に
出品された《Terminal Impact (featuring Mari Katayama "tools")》に制作協力。
2014-2015年、アーツ前橋の「地域アートプロジェクト」により
前橋にて滞在制作。
同時期に初個展「you're mine」(TRAUMARIS│SPACE、東京)開催。
2016年は「六本木クロッシング2016」(森美術館、東京)、
個展「shadow puppet」(3331ギャラリー、東京)、
「瀬戸内国際芸術祭2016」参加企画「アーティスト in 六区
2016 vol.3 片山真理 bystander」(宮浦ギャラリー六区、直島)、
アートプロジェクトおかやま
「片山真理展 セルフポートレートとオブジェ」(ルネスホール、岡山)
と各地で作品を発表。
ほかにも歌手、モデルとして、また執筆、講演など、
多方面で活躍している。太田市在住。


作家ホームページ:http://shell-kashime.com/