「クラーナハ展 五百年後の誘惑」 @国立西洋美術館 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

「クラーナハ展」を国立西洋美術館で観る。

なんといってもチラシにもあるあの<ユーディット>、

そして<ヴィーナス>。

ルカス・クラーナハ(父、1472-1553年)は、

ヴィッテンベルクの宮廷画家。

ドイツ・ルネッサンスを代表する画家。

宗教改革者マルティン・ルターとは友人にして、

イメージメーカー。

 

 

 

 




ヴィーナス、漆黒にたたずむ「S字形の裸体」、

身に纏うのは薄布と首飾り、こうした装飾があることで、

より<裸体>がエロティック。

思っていたよりずっとこぶりの作品で、

書斎などに飾っていたとか。


たくさんのルクレティア、着衣、半裸、裸体、

どのルクレティアも自害をする剣がなければ

そのままヴィーナスにもなりそう。

 

 

 

 




そして「ホロフェルネスの首を持つユディト」

この怜悧な、冷ややかな視線、一切の表情が消され、

であるからこそ、なんとも蠱惑的。

切り落とされた首の断面のなんとリアルなことか。

生首の灰青黒い顔色、でもその顔にうかぶかすかな恍惚。

修復が済んで初お目見えとか。

 

 

 

 




むろんルターの肖像も。


「ヨハネの黙示録」ではデューラー(1才年上)の木版画も。


じつに見ごたえのある展示を堪能した。


2017年1月15日(日)まで。


画像はウキペディアより(代表的な作品が多数。ちょっと色調が異なりますが)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%8A%E3%83%83%E3%83%8F