「クラーナハ展」を国立西洋美術館で観る。
なんといってもチラシにもあるあの<ユーディット>、
そして<ヴィーナス>。
ルカス・クラーナハ(父、1472-1553年)は、
ヴィッテンベルクの宮廷画家。
ドイツ・ルネッサンスを代表する画家。
宗教改革者マルティン・ルターとは友人にして、
イメージメーカー。
ヴィーナス、漆黒にたたずむ「S字形の裸体」、
身に纏うのは薄布と首飾り、こうした装飾があることで、
より<裸体>がエロティック。
思っていたよりずっとこぶりの作品で、
書斎などに飾っていたとか。
たくさんのルクレティア、着衣、半裸、裸体、
どのルクレティアも自害をする剣がなければ
そのままヴィーナスにもなりそう。
そして「ホロフェルネスの首を持つユディト」
この怜悧な、冷ややかな視線、一切の表情が消され、
であるからこそ、なんとも蠱惑的。
切り落とされた首の断面のなんとリアルなことか。
生首の灰青黒い顔色、でもその顔にうかぶかすかな恍惚。
修復が済んで初お目見えとか。
むろんルターの肖像も。
「ヨハネの黙示録」ではデューラー(1才年上)の木版画も。
じつに見ごたえのある展示を堪能した。
2017年1月15日(日)まで。
画像はウキペディアより(代表的な作品が多数。ちょっと色調が異なりますが)
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