オペラ「眠れる美女」川端康成原作 @東京文化会館 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

オペラ「眠れる美女」を12月10日(土)東京文化会館で観た。

川端康成のあの「眠れる美女」を、

どのようにオペラ化するのか、興味はつきない。


歌唱、ドラマ、ダンス、映像が緊密に織り成す

優れた舞台になっていることに驚嘆。

あの文化会館大ホールがタナトスとエロスの密室となった。


江口老人にバリトン。

女性に抱く思い、

そこから過去の女性たちの思い出を表現する。

ソプラノ、メゾソプラノ各2名の女声が眠る女性たちの身体を描き、

「自然」の描写をソプラノがうたう。

歌唱は英語。

 

 

 

 

 



その自然はプロジェクションで、紅葉、雪、がうつくしい。


舞台上部でのダンスが素晴らしい。

眠る美女の内奥をあらわにするといった

激しい振り付け。

 

 

 

 




江口と江口が訪れる眠る女と添い寝する館の女主人、

この寝室に入る前の会話は俳優による芝居。

長塚京三と原田美枝子の台詞が、ことばが、感情を紡ぎだす。

 

 

 

 





オペラ「眠れる美女」はベルギーで2009年に世界初演。

日本で今回が初演。

東京文化会館55周年、日ベルギー友好150周年記念の公演。

10日、11日の2公演なのが惜しまれるすぐれた舞台。

 

 

 




原作:川端康成

作曲:クリス・デフォート

台本:ギー・カシアス/クリス・デフォート/マリアンヌ・フォン・ケルホーフェン

演奏:パトリック・ダヴァン:指揮
東京藝大シンフォニエッタ

演出:ギー・カシアス

振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ


老人:オマール・エイブライム(バリトン)

女:カトリン・バルツ(ソプラノ)

老人:長塚京三(俳優)

館の女主人:原田美枝子(俳優)

眠れる美女:伊藤郁女(ダンサー)

眠れる美女たち:原千裕/林よう子/吉村恵/塩崎めぐみ(コーラス)

美術:エンリコ・バニョーリ/アリエン・クレルコ
照明:エンリコ・バニョーリ
映像:アリエン・クレルコ
衣裳:ティム・ファン・シュテーンベルゲン
舞台監督:菅原多敢弘
共同制作:LOD(ベルギー)
 

(画像は東京文化会館ツイッターより)

 

 

「眠れる美女」の紹介サイト
 http://opera.jp.net/archives/5623