オペラ「セビリアの理髪師」グラインドボーン音楽祭2016 @NHK-BS | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

(NHK-BSより 左よりベルタ、伯爵、ロジーナ、フィガロ、バジーリオ)

 

 

 

グラインドボーン音楽祭は、1934年に

英国の資産家ジョン・クリスティと

その妻のソプラノ歌手のオードリー・マイルドメイによって

創設されたオペラ音楽祭。

モーツアルトをメインプログラムされ、

開場はクリスティ家の邸宅=グラインドボーン・ハウス。


2016年今年は、初演から200年を迎えた

ロッシーニの「セビリアの理髪師」を

イギリスの女優で、演出家のアナベル・アーデンによる演出で上演。

ロッシーニの明るく、楽しい舞台が繰りひろげられる。

美術、衣装も前衛的でなく、なるほどと納得させる。


メゾ・ソプラノの役のロジーナを歌うのは、

ソプラノのダニエル・ドゥ・ニース。

華やかで、迫力のある美人、高音のコロラチューラが

舞台を縦横に彩る。

フィガロ(理髪師)をビヨルン・ビュルガーのしたたかさ、

アルマヴィーヴァ伯爵役テイラー・ステイトンの、

軽やか、というより軽薄といった伯爵が好ましい。

フィガロ、伯爵ともに若若しく、スリムな体形。


 

見事なのがバルトロ(医師、ロジーナの後見人)

のアレッサンドロ・コルベルリ、演技も歌もじつに達者。

若い女&財産を恋した高年の悲哀が切ない。

女中のベルタもいい味を出していて、アリアも踊りながら。

こういう脇の歌手が舞台全体をじつに豊かにしている。


演奏は、エンリケ・マッツォーラ指揮で、

オケッピットと舞台とのやりとりも気が利いて。

オーケストラはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団。


この「セビリアの理髪師」、明るく、

 

                  <生>る喜びにあふれた、

 

                     愉しめるオペラ。

 





◆グラインドボーン音楽祭2016
歌劇『セビリアの理髪師』ロッシーニ 作曲」(全2幕)

<出 演>
フィガロ(理髪師):ビヨルン・ビュルガー

ロジーナ(バルトロのめい):ダニエル・ドゥ・ニース

アルマヴィーヴァ伯爵:テイラー・ステイトン

バルトロ(医師、ロジーナの後見人):アレッサンドロ・コルベルリ

バジーリオ…クリストファロス・スタンボグリス、

ベルタ…ジャニス・ケリー


<合 唱>グラインドボーン合唱団

<管弦楽>ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

<指 揮>エンリケ・マッツォーラ

<演 出>アナベル・アーデン

収録:2016年6月17、21日 グラインドボーン音楽祭歌劇場(イギリス)