北原白秋「石竹」 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

     石竹

障子閉(し)めても、石竹の

花は出窻にいと赤し、

障子閉めつつ、自堕落(じだらく)に

二人(ふたり)並(なら)んで寢そべれど、

花はしみじみ、まだ赤し。

愚かなる花、小さき石竹。


 

 

 

 


◆すでに褪せてしまった恋情、

それを、まだかかえている女の

やるせない、ため息のような詩。

 

 

初版『雪と花火』早稲田大学図書館 データベース
「石竹」は353ページに掲載されています。
 
http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko03a/bunko03a_00283/bunko03a_00283.html