北原白秋「春の鳥」 詩集『雪と花火』より | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

    春の鳥

鳴きそ鳴きそ春の鳥、

昇菊の紺と銀との肩ぎぬに。

鳴きそな鳴きそ春の鳥、

歌澤(うたざは)の夏のあわれとなりぬべき

大川の金(きん)と青とのたそがれに。

鳴きそな鳴きそ春の鳥。





<惜春>のおもいが、

紺と銀、金と紺など色彩であでやかに。

「昇菊(しょうぎく)」は一世を風靡した

娘義太夫のスターの名。


野暮を言えば「な・・・そ」は禁止の意をあらわし、

平安朝からもちいられた、とか。


◆『雪と花火』早稲田大学図書館データベースの、

204ページに掲載されています。
http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko03a/bunko03a_00283/bunko03a_00283.html