サラマンドル
三月の火喰獣を腑分けせよ 掌
「人間に火をあたえるな」
そうゼウスは言った。
プロメテウスは背いた。
プロメテウスは捕らえら、拷問された。
それは、
岩に縛りつけられられ、内臓を鷲に喰われるという。
日ごと夜ごと、
再生する内臓を喰われた。
ふふふ・・・
プロメテウスの火は不味い。
そんな理屈のまざったものは不純というもの。
舌にざらつく。
幾億劫になるか。
火はわたしが与えた。
このわたしがだ。
ポンペイをみよ。
目のまえで抱き合った情人どもが燃える。
逸楽の
愛欲の
淫欲のまま
ふふふ・・・
それが火というもの。
わ・た・し
が
<火>
なに、
火喰獣・サラマンドルだと
ふん、愚か者め
喰らうているのではないッ
燃え尽きてしまえ
そんな輩
息を吹きかけるだけ
火種ほどもいらない
ふふふ・・
瓦礫のなか、
ドクター・Gは立つ。
彼が解体した<もの・ブツ>が
足許に
転がる。