「鈴木其一展」をサントリー美術館で観る。
琳派の流れで、取り上げられることの多い「鈴木其一」。
其一作品を内外から集めた展示。
鈴木其一(1796~1858)は、酒井抱一の弟子で共作も。
江戸琳派の華麗なる画風、
そしてリアリスティックでありながら、デザイン的でもある。
どこか突き抜けて奇抜といってもいいほどの迫力の画面。
花鳥画、月次画、山水画、物語絵、風俗画、仏画、節句画、
扇、凧、羽子板、絵馬などジャンルは、幅広い。
展示は五章になっている。
序章 抱一と最初の弟子であった蠣潭、抱一の掛け軸
第一章 「江戸琳派の始まり」其一の初期作品
第二章 「其一様式の確立」
第三章 「絢爛たる軌跡」大活躍し、晩年の傑作に至る作品
第四章 「其一派と江戸琳派の展開」
其一、それ以降の琳派絵師たちの作品
「夏秋渓流屏風図」、金地に群青の流れ、緑青の苔、紅葉など
鮮やかな色彩のどこか時間が止まってしまったよう。
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画像(根津美術館蔵)
「風神雷神図襖」、墨の濃淡で描く禍々しいほど不穏な暗雲。
龍神の爪のようにも見える。
襖八面にもおよぶ大画面。
圧巻の「朝顔図屏風」。
濃紺の朝顔が咲きほこり、濃密に葉が繁茂する。
グラフィック的でありながら、
朝顔のエネルギーというか画家のそれというか、
この蔓に絡めとられてしまいそう。
幅10センチくらいの「伊勢物語」などの絵巻、
小品でありながら、のびやかな世界がひろがる。
サントーリー美術館(画像も多数)
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10月30日(日)まで。
(会期中展示替えあり)