「鈴木其一 江戸琳派の旗手」 @サントリー美術館 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

「鈴木其一展」をサントリー美術館で観る。

琳派の流れで、取り上げられることの多い「鈴木其一」。

其一作品を内外から集めた展示。

鈴木其一(1796~1858)は、酒井抱一の弟子で共作も。

江戸琳派の華麗なる画風、

そしてリアリスティックでありながら、デザイン的でもある。

どこか突き抜けて奇抜といってもいいほどの迫力の画面。

花鳥画、月次画、山水画、物語絵、風俗画、仏画、節句画、

扇、凧、羽子板、絵馬などジャンルは、幅広い。
 
展示は五章になっている。

序章 抱一と最初の弟子であった蠣潭、抱一の掛け軸

第一章 「江戸琳派の始まり」其一の初期作品

第二章 「其一様式の確立」

第三章 「絢爛たる軌跡」大活躍し、晩年の傑作に至る作品

第四章 「其一派と江戸琳派の展開」
      其一、それ以降の琳派絵師たちの作品


「夏秋渓流屏風図」、金地に群青の流れ、緑青の苔、紅葉など

鮮やかな色彩のどこか時間が止まってしまったよう。

 http://www.nezu-muse.or.jp/jp/collection/detail.php?id=10348 
         画像(根津美術館蔵)

「風神雷神図襖」、墨の濃淡で描く禍々しいほど不穏な暗雲。

龍神の爪のようにも見える。

襖八面にもおよぶ大画面。


圧巻の「朝顔図屏風」。

濃紺の朝顔が咲きほこり、濃密に葉が繁茂する。

グラフィック的でありながら、

朝顔のエネルギーというか画家のそれというか、

この蔓に絡めとられてしまいそう。


幅10センチくらいの「伊勢物語」などの絵巻、

小品でありながら、のびやかな世界がひろがる。


サントーリー美術館(画像も多数)
  http://www.suntory.co.jp/news/article/mt_items/sma0020.pdf


10月30日(日)まで。
(会期中展示替えあり)