オペラ×能×日本舞踊×雅楽「ジャパン・オルフェ」 @東京芸術劇場 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

モンティベルディ作曲 オペラ「オルフェ」を観る。

日伊国交150周年記念にあたる今年、

オペラ×能×日本舞踊×雅楽による「オルフェ」、世界初演となる。

企画に惹かれて13日(木)に観た。

モンティベルディの「オルフェ」はオペラとして現存する最古のもの。

日伊奏者による古楽の管弦楽+雅楽で始まる。

美術・装置はまったくなしで、センターに濃紺の床。

これは能の舞台様式なのか、どうか。

ここ以外の下手、上手でも歌手は動いていたのだが・・・

今回のオルフェはバリトン。

かつてカストラートが歌っていたが、現在ではメゾソプラノかバリトン。

オルフェのヴィットーリオ・プラートは甘いマスク、

スタイルも抜群でモデルのよう。

その声はやわらかいが、くぐもったりして飛ばない。

エウリディーチェ、ソプラノの安部早希子は清冽で情感ゆたか。

雅楽、とくに篳篥の鮮烈な音が印象的。

冥界ではプルトーネ、プロセルピナ、が歌い、

能の武田孝史(プルトーネ)・宝生和英(プロセルピナ)が舞う。

その登場だけで、劇場の<気>が引き絞られ、

引く手、差す手に眼が惹きつけられる。

藤間勘十郎と日舞の冥界の霊・バッカスの巫女の

すざまじい情念がみごと。


第5幕の補筆の作曲を沼尻竜典。

書法によるのか、緻密な音楽になっている。


興味深い試みではあるのだが、やはり木に竹を接ぐようで、

能、雅楽、日本舞踊の凄みを再認識した、ということか・・・


「ジャパン・オルフェ」公演公式サイトはこちら。
 http://japanorfeo.com/


この日は空席が目立つ。

プログラムはミッソーニの表紙でスタイリッシュだが、

プロフィールなどの差込の紙3枚入ったり、

同じページがあったりしていた。


指揮:アーロン・カペルネ

演出:ステファノ・ヴィツィオーリ

衣装:ミッソーニ