晩夏・ばんか 晩夏光亜霊長類研究所 掌 ◆晩夏・晩夏光・夏深しバンカ、という語感には、「夏深し」とは違って、どこか男性的な、きっぱりしたひびきがある。いくぶんかもの憂い感じを含みながら、なお衰えぬ暑光を思わせる。眼にうつる風景は夏そのままであっても、こころの内側には夏果てのおもいが深い。けんらんたる夕焼空を見るのも多くこのごろ。飯田龍太による<晩夏>の稿。 日本大歳時記より